新年のご挨拶を兼ねて
2015年1月17日、あの阪神・淡路大震災から20年が経ちました。
あの日、高速道路の橋脚が根元から折れ、街を炎が包み込むテレビ
画面に、私たちは為す術もなく立ち尽くしました。
この3月11日には、東日本大震災から丸4年を迎えることになります。
あの時も、人々の日常を飲み込んでゆく津波に、私はただ茫然とするだけでした。
未曽有の豪雨・土砂災害、大雪の被害など、自然に抗い自然を克服
したつもりでいた私達は、自然の驚異を目の当たりにして無力感さえ
感じ始めています。
東北の被災地の復興は遅々として進みません。一見復興が成った
ように見える神戸にあっても、20年という時間だけで人々の悲しみ
を払拭することはできませんでした。
しかし、どんなに打ちのめされても「逆境」を乗り越えることを
可能にするのは「ひと」の力です。たとえどんなに僅かでも、
進み続ければ「だいぶ進んだな」と思うことができるはずです。
当事者たりえない私は、あまりに無力ではありますが、しかし、
被災された皆様に絶えず心を寄せ、小さな支援を届け続けようと、
年の初めにあたり、あらためて心に刻んだことでした。
2015年がどうか平穏な一年でありますように。当たり前の日常が、
当たり前に続くいてゆく幸せをかみしめたいと思います。
埼玉協同病院 教育研修センター長 村上 純子